見学日和 ~社会科見学とか工場見学とかあれこれ

社会科見学&工場見学や旅とかいろいろメモ

【一般公開】(独)海上技術安全研究所の2006夏

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三鷹にある (独)海上技術安全研究所(略して海技研)は、主に船の運航に関する研究を行っているところです。何がすごいって波の発生や潮流の研究施設である深海水槽が、深さ世界一でギネスに載ったんですよ!
その造波実験が見れるというので一般公開に行ってきました。

お昼過ぎに吉祥寺の駅からバスで三鷹農協前まで行き、そこから10分ほど歩くと到着。

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まず、海技研の入り口からはずっと奥のほうにある、お目当ての深海水槽に向かいます。

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そこでは高圧水槽もあって、カップヌードルを水圧で小さく縮ませたものをもらえるとあって子供たちに人気です。

深海水槽は、水面の部分は直径14m、水深5mのところから直径6mでさらに30mの深さがあります。水面からの深さ35mが世界一ということでギネス認定証が飾ってありました。(飾ってあったというか扇風機の風に揺られてました)

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ギネス認定証、本物を初めて見ました。


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深海水槽に設置されている造波装置の説明。海と同じような条件を作り出します。

水深5m以下のところは深海ピットといって20台のカメラが設置されていて、中での実験の様子を観察できます。潮流発生装置も水中にあって、これで潮の流れを作り出すことができるそうです。2mの羽根で作り出す波では、水面下2.5mまでしか影響がないので、海と同条件を作るために潮流は別に発生するそうです。

ここでは造波装の128枚の羽を使っていろいろな波を起こす造波デモンストレーションをやってくれました。

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まるで水族館のショーのお姉さんみたいな人が司会をしてくれます。

 

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これが、造波装置の羽のアップ。これが複雑な動きをするんですね。

 

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これは一斉に中心に向かって羽を同時に動かすと出来る「集中波」です。

 

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四方向波はまるでチェック模様。
この他にもグルグル廻る旋回波というのもあります。

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順序ごっちゃですみません。
研究所の公開してる施設がてんこ盛りな上に広い敷地内に点在してることもあって、ここに着いた段階で終了の4時近く…。じつは最後に寄った実験施設なのです。門を入って右手奥の400m水槽。最初に見落としてただけなんだけど。

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模型船を使って水の抵抗などを調べてるんだけど、この水槽も世界最大級なんですよ!
奥行きが400mで横幅が18m。もっと長いものもあるけど幅が狭かったり水深浅かったり、幅はあっても奥行きが短かったりして、構造的にはこちらも世界水準。

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なんたって、どーんと奥まで遠い!!

 

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水槽の近くに寄ると係の人が「ラッキー急いで!」と水槽の脇から誘導してくれて、模型船曳航用の電車に乗せてもらえました。

ここの水は井戸水を利用し、模型船もパラビンという蝋に似た材料で何度も作り直したりしてるそうで、係の方がが「この施設は40年前からリサイクルに取り組んでいるんだ!」と力説されておりました。

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その他の施設も行ってきてるので。

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波浪荷重実験棟でのスロッシングの実験施設では、荒れた海を航海したときの船倉の貨物がどうなっているのか、 タンカーなどの設計構造の研究をしています。

 

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氷海船舶試験水槽では、水槽のある部屋が特別に温度調節していて、行ったときはマイナス2℃でした。氷を作るときは、水槽の部分だけマイナス20℃にして結氷させるんだそうです。

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そして氷を張った水槽の上を船が進むときの様子を水槽の下から観察できます。


南極観測などで運行している砕氷船というよりは、氷海船舶の運航試験ばかりなんだそうですが、南極の写真とか展示してありました。南極を出した方がやっぱりアピールしやすいのかな。ついでに水槽の真下にクリオネが展示してありました。それもビーカーで。


変動風水洞というホンモノの海を再現できる施設では、風速15mを体験。
ヘルメットかぶって風の出る部屋に入って体験するんだけど、写真どころか眼鏡まで吹っ飛んじゃって大変な目にあいました…

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この海技研は研究所の敷地内に十数か所の施設が点在していて、ひとつひとつ実験やデモが違うので、夏の一般公開のときは帽子と水分補給は重要です!
できたら折りたたみ自転車のある人は持ってきたらいいと思う。そのくらい歩くの覚悟で。
そして各施設でそれぞれ工夫をこらした参加型イベントをやっていて、午後から行っても時間が足りませんでした。中の食堂で弁当売ってたのはそのせいかもしれない。
小学生向けの実験もっとやってたからお子さん連れなら一日過ごせますよ~!そういえば近所の小学生の団体も来てました。
一般個人は公開日しか入れないので、私もチャンスがあったらまた行きたいです!

(見学日:2006.7.28)