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タウシュベツ川橋梁を見たくて早朝ツアーに参加してきた

(見学日:2019年6月9日)

今回十勝を選んだ最大の目的は、タウシュベツ川橋梁
タウシュベツ川橋梁は「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」の中でも特に代表的なアーチ橋で、糠平ダムの建設によりできた人造湖糠平湖の水位によって水没してしまう時期もあれば、水位が低くなって橋梁全体が見渡せる時期もあることから、幻の橋と言われて久しい。
冬の間は結氷する糠平湖の底に閉じ込められ、低水位では直射日光や風雨にさらされ、ここ数年は崩壊は時間の問題と言われている。
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そんなわけで、個人で行くには許可申請などハードルが高いので、今回はNPOひがし大雪自然ガイドセンターが催行しているいくつかのアーチ橋見学ツアーから「早朝タウシュベツ橋ツアー」に参加してきた。
タウシュベツ川橋梁に行くには、徒歩または営林署で許可を得た車でしか行かれないが、徒歩でも最低4kmは歩くしヒグマも出るので危険。こちらのツアーはもちろん有料ではあるが、許可を取って車で送迎&案内してくれる上、長靴もレンタルも含まれていて、断然ツアーで行くことをお勧めする。

ぬかびら温泉郷にある糠平温泉文化ホールを5時30分に出発するツアーなので、ぬかびら温泉郷に前泊して、朝食の前に見学することになった。そんな早朝なのに16人程の定員は早々に予約で満席である。

糠平湖をぐるっと回って反対側の林道のゲートを入って、車で行けるギリギリまで連れて行ってくれる。そこから林の中の道を歩いてく。
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行く手には上士幌町の近づくなの看板が手を変え品を変え続く。f:id:houk0:20190609055326j:plain

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近づくにつれ流木の数も増えて脇に一列になって歩き進む。
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そうこうしているうちに林が切れて視界が開けてきた。f:id:houk0:20210124225843j:plain

 

タウシュベツ川橋梁に着いた!
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もう十年以上いつか行けることを祈っていた場所に立っている自分にうるうるした。

この時期は例年であれば水も残っているので、早朝は風もなく橋梁が水面に映り込む景色が見られるかも!と期待して行ったものの、今年は降雨が少なく水が無いと。そのかわり、水が無いおかげで橋の近くまで降りてぐるりと歩いて回ることができた。ロープの内側には入っては行けないそうだが、結構近くに寄れる。
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傾斜があり小石も多くて降りるのが大変なので、細くて持ちやすい流木を杖がわりに降りた景色がこれである。
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鉄筋コンクリート枠の内部に割石を詰める工法は当時は良案とされていたそうだが、この環境ではコンクリート部が欠損により割石が崩落してしまっている。
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あちこち川のように流れていて長靴でもようやっと渡れるくらいで場所によっては深かったり川幅が広くて越せない場所もあって少し迂回。
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水位が下がる際に切り株の中に残されてしまった干からびた魚。
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足元も場所によりぬかるんでいるので、慣れない長靴で写真を撮りながらやっと反対側まで来て、また斜面を上がる。
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この上に旧国鉄士幌線の線路が設置されていたのですね。
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また向こう側に下りて折り返し。こちらも崩落が顕著。
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痛々しい崩落の箇所。周りのコンクリートも欠落していて見ているのみしか出来ず。
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引きで撮ったら参加者が遠目に映り込んだけれど、大きさの比較の参考になれば。
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そして普段は湖底にある切り株が表出した不思議な光景。これが湖底とは。
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この光景、ガイドの人が教えてくれたところ、携帯のCMで山崎賢人旧石器時代にタイムトラベルしてきたのがこの場所だとのこと。そういえば見覚えがある気がした。
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着いたときは曇り空だったけど、ぬかびら温泉郷の方角は雲が切れてきて青空も見えた。ずっと向こうには糠平ダム近い位置に水が貯まっている様子も見える。
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 タウシュベツ川橋梁に別れを告げて現実の世界に戻る時間になって、なぜだかジーンとしてしまった。またもう一度会えることを願って。


タウシュベツ川橋梁を後にした帰り道、営林署管轄内で車内から線路のあった跡だと教えてもらったところ。林に消えゆく夢の軌跡。
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タウシュベツ川橋梁が湖水に沈むことになった糠平ダム。帯広からぬかびら温泉郷に向かうと出迎えてくれる。f:id:houk0:20210125230727j:plain

近隣には北海道遺産にも認定されている旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群としていくつも国道273号沿いに現存するアーチ橋があるので、時間があれば巡ってみてほしい。

余談ですが、前日に友人がこのツアーに参加していたのを現地でツイッターで知って、あまりの偶然に笑ったことも忘れないでいようと思う。


ひがし大雪ガイドセンターの方にはとてもお世話になりました!www.guidecentre.jp

 
(見学日:2019年6月9日)
 ◆2人(夫と)
 ◆ネット予約
 ◆有料(レンタル長靴代、送迎含む)